建築雑感

2005年6月11日

建築家のもうひとつの顔

やはりと言うべきか、どうもコラム欄を造ってしまって以来、勝手に重いものがのしかかってきてしまいました。重いついでに少し重い話題で始めてみましょう。

私は建築家には、一般的には経営者と教育者という二つの側面があると考えています。人を使う以上経営者であることは疑いの無い事実ですし、それを追求した生き方もあるでしょう。又、安易に教育者となることについては私自身は疑問を持っていましたが、最近になって若い人と接することの自分にとっての面白さを感じることがあり、これも否定できません。

他方、建築家の仕事はそもそも商業主義的な物質世界の中にあるにもかかわらず、『人の心』という精神的なものを相手にする仕事であるとも思います。
そうした中で、いまのところ私の進むべき方向はより良い経営者でも教育者でもなく、それ以外であるような気がしています。もしかするとそれは職人のようなものかもしれませんが、それはただ創り続けることで見えてくることなのかもしれません。