建築雑感

2005年8月18日

イタリア-2:RCトラスの橋

RCトラス橋ミラノ Naviglio地区の運河沿いを散歩していて見つけた鉄筋コンクリート造のトラス橋。無骨なプロポーションでありながら斜材の角度と太さを連続的に変化させているあたりがニクい。この時は運河の工事の為か水がありませんでしたが、太鼓橋になっているのは船舶の航行のためでしょう。

RCトラスの橋と言うとパリ東駅の跨線橋(1927)が有名なようですが、細骨材の風化の具合から言ってそれよりも古いかと思われます。しかし形状から言って力学的にはトラス橋というよりはアーチ橋でしょうか。その苔むしたテクスチュアに、もはやトラスの軽快さからはほど遠い重量感を見せている姿は、もしかするとデザイナーの意図したものかもしれません。こういうものを見ると、遥か昔にこれを造った人たちの顔が見たくなります。